住民自らがまちを元気にする。
そのお手伝いをするために会社を立ち上げました。
お名前をお願いします。
株式会社コミクリ 代表取締役 佐藤弘人(福岡県田川市出身。高校時代は山口県で高校野球)
社長の1日のルーティーンを教えてください。
6:00 起床 起きたらすぐメールチェックと、SNSなどで最新情報をチェックします。
9:00 朝一番のミーティングは社長室、自宅からWeb会議システムを使って参加します。
10:00 講演依頼への対応、取引先へ は自ら営業活動を行います。
12:00 ランチを取りながら、午後からの業務状況などを確認しフォローをする準備をします。
13:00 出張準備 来週以降の出張に向けて、航空券や宿泊先などを手配。
15:00 幹部やリーダーとミーティング。動き出したばかりの新規事業に関して今後の戦略について打ち合わせします。
18:00 セミナー出席 経営者向けセミナーへ出かけます。日々の勉強や、他の社長との交流は欠かせません。
21:00 外食は他社の親しい社長や友人と一緒に食事。ビジネスの話でたっぷりと盛り上がり、刺激を与え合います。
22:00 帰宅後は身体の筋力トレーニングとストレッチ。早く帰れる時はトレーニングジムに通っています。(社長は体力!)
25:30 就寝 いくつか残っている仕事を片付けてキリのよいところで寝ます。
なぜ、まちづくりをする会社を立ち上げたのですか?
父や母に恩返しがしたいというのが始まりでした。
「故郷や地方で困っている人たちの力になれるような仕事をしなさい」ということをずっと両親から言われてきていました。
私は東京で就職して事業を拡大してきましたが、ある時地方から東京に人を集めていたことに気づきました。
自分の故郷や地方を見たときに、商店街にはシャッターがおり、高齢化が進み、同期生がほとんどいないという状況に、「これではいけない」と思いました。
地方を元気にしていかないと日本はどんどん少子化が進み、地方では生きられない人たちが増えてきます。
そう考えた時に、父の言葉を思い出しました。私が生まれ育ったまちを、このITの仕事を通して地方を元気にしたいと。
その想いから、ITを通した「地域づくり」「人づくり」 「まちづくり」のお手伝いをする、コミクリを立ち上げました。
「どうしたら、仕事を通して地域を元気にしていけるか」という考えを常に持って事業を進めています。
「地域が元気になる」とは、どういうことだと思いますか?
地方でよく聞かれるのが「どうやったら地方は元気になりますか」ということです。
大都市圏や大手企業からいろいろな能力を持っている人たちがアドバイスをしてくれたとしても、自らが立ち上がって「このまちを元気にする」と思えなければ元気にならない。行政も企業も学校も住民も一緒になってまちを経営していくと思えることが、本当の意味の地方を元気するということだと思っています。行政だけが、企業だけが、住民だけが頑張るのではなく、みんなが一つになってこのまちをどうしたいかということを話合いながらやっていくことが大切です。だから行政の仕事を市民がやってもいいと思います。
しかし、知恵というものはそれだけでは中々出てこないものです。
そういう知恵を出すためには、「よそ者」「馬鹿者」「若者」が必要となります。
新しい発想力が必要なんです。
地域に行くと「うちの地域は頑固でね」というところがよくありますが、頑固は頑固で良いのです。
よいけれど、人の意見に耳を貸さない頑固というのは、まちを成長させないというところがあります。
そういう意味でも外からきている人たちの知恵を借りるということも大事だと思います。
「よそ者」「馬鹿者」「若者」が 地域を元気にする一つの知恵となってくれます。
仕事をするうえで特に大切にしているこだわりや、それを表わす言葉を教えてください。
仕事は厳しいものですし、嫌な上司や厳しいお客様に出会うこともあります。時にはその言葉で傷ついて進めないこともあります。
人の心ってすごく強い部分と弱い部分をもっていると思います。
ただ、私は、どのような状況に置かれても“意志あるところに必ず道は開ける”この信念を持って生きてきました。
自分自身では「できない」と言う言葉を簡単に口にはしません。やってみよう、やるためにどうするかを常に考えてきました。
社員に対しても「それはダメだ」と私はあまり言ったことがありません。
これから入ってくる社員の皆さんにも、最初に答えを勝手に見つけてしまうのではなく、「やり遂げるためには、今、自分は何をするべきか」ということを考えて臨んでほしいと考えています。
私が最も大事にしているルールは、「約束」・「時間」・「お金」の3つにルーズにならないということです。
この3つさえルーズにならなければ、ある程度のことはチャレンジして良いと考えています。
この事は常に社員に言っています。約束したことは果たす。決めた時間は守る。約束が果たせない、時間に間に合わない場合は早く相手に伝え代替案を提示する。
また、人がルーズになりがちなのが、お金です。
どうしてもお金が足りずに親から借りる、友人等から借りる場合は「いつまでに返す」という約束を必ず実行することを徹底させています。
この「約束」「時間」「お金」は、人の本質そのものだと思っています。
仕事をする中で一番やりがいを感じるのはどんな時ですか?
サラリーマンを辞め、ベンチャー企業を創立したのですから、コミクリにしかないオリジナルな事業を生み出したいです。
仲間と苦労を共にし、力を合わせて開発したシステムをお客様に使って頂き「ありがとう」の言葉を頂いた時は何よりも嬉しいですね。
私はお客様を笑顔にするには、自分が、そして社員が、笑顔でなくてはならいと思っています。
今まで会社を経営してきて、一番ピンチ(失敗)だと思ったのはどんな時ですか?
ピンチ!たくさんありました。
新しく開発にチャレンジしたシステムが、本番稼働前日に障害が発生し動かなくなるピンチがありました。
仲間と共に徹夜で原因を究明していましたが解決せずに、お客様へのお詫びと、本番を待ち続けている使用者の皆様を裏切ることにもなり、契約不履行で会社倒産も頭をよぎりはじめた時、一人の技術者から「ひょっとしたらこの原因は…」
それから数時間後システムは無事本稼働を迎え、このシステムを使用する方々から次々に「良いシステムができたね」と掛けて頂いた言葉は、今でも私の宝物です。
今後、どういった人と一緒に働きたいですか。
また、これから入社してくる方達にはどういう仕事を任せたいと思っていますか?
自分の意志や意見を持って、仕事や生き方を実践できる人と仕事がしたいですね。
ですので、理系・文系や学歴を問わず、採用しています。
多種多様な意見を偏見なく議論しあって、ベストな仕事をしてもらいたいと考えています。
任せる仕事については、まずしっかりITの基本を学んでもらいますが、本人の意思を尊重しながら、
個性にあった仕事にチャレンジして頂きたいと思っています。
新たなビジネスは誰が立案しているのですか?
新しいビジネスについては、幹部社員のみならず、若手社員、新入社員からでも提案して貰います。 若手社員から提案があって実現したのが、日本が生んだプログラム言語「Ruby」での開発事業です。 現在、Ruby言語を使った、ポイントシステムや自治体窓口支援システムは、コミクリの主要商品して世の中のお役に立たせて頂いています。
今後の事業展開、5年後の会社の姿を教えてください。
この会社を立ち上げた時、社員として迎え入れるのは少数精鋭で良いと考えていました。
色んな地域と連携できるIT企業にしたいと思っていました。
IT企業には「開発が強い会社」「コンサルが強い会社」「WEBが強い会社」等々があります。それを一企業として考えると組織が巨大化してきます。組織に亀裂が生まれたり、仕組みだけで仕事をはじめます。
私は地域で出会った会社や仲間と共にネットワークを築きながらそれぞれの良いところを活かしあう仕事をしていきたいと考えてきました。現在、様々な地域での仲間とたくさんの仕事をしていますし、これからも続けていきたいと思っています。
5年後、10年後には、地域創生といえばコミクリと言われるような、地域にとって必要とされるサービスを提供する会社にこれからも成長していきたいと思っています。
就職活動をしている学生のみなさんへ、一言お願いします!
一生懸命勉強してきた人もいるし、仲間たちと楽しく生きてきた人もいる。クラブ活動をやってきた人もいます。
何らかの将来の夢を持っている人が好きです。
例えば「将来は人のためになる仕事をしたい」「国・国民に影響を与えるような仕事をしたい」「命を助ける仕事をしたい」「世界に出ていきたい」「両親を守っていけるようになりたい」そういった、漠然とした夢でいいのです。
実際に会社に入ると、様々な仕事に出会うことができます。5年後10年後の具体的なビジョンを考えるのは仕事をしながらでもよいのです。
ただ、自分がこれから生きていく中で、毎日を何となく過ごすという生活ではなく、「ここを目指したい」という想いがある方に出会うと嬉しくなりますね。
コミクリは、ITを駆使し、人・情報・地域をつなぎ、地域力を高める創造的な活動に挑戦し続けています。
学生の皆さん!!ひとづくり、まちづくりを通して、新しい日本の未来を共に創っていきませんか。